裏千家茶道をはじめて10年半(茶道部時代を入れると13年)、ついに!ついに!茶名をいただきました!
茶道をはじめたばかりの時は、「茶名なんてものがあるんだ!始めたばかりの私にはまだまだ先の話」と思っていましたが、あっという間に10年の月日が経ち、先生から「そろそろ茶名を取らない?」とお話があったときには「ついに自分も茶名を取るようなところまで来たのか!」大変感慨深くなりました。
茶道だけでいえば、10年という月日はあっという間でした。
(茶道以外だと18~28歳の10年といのは学生から社会人になり、転職したり、引っ越しをしたり、結婚をしたりと大忙しで全くあっという間ではありませんでしたが。)
茶道を学べば学ぶほど、自分は知らないことが多すぎると実感し、もっと茶道を学びたくなる、そんな10年でした。
お家元からいただいた名前で、新たに気持ちを切り替えて、今後もさらに精進していきたいと思います。
前置きが長くなりましたが、このたび拝受した茶名について、拝受した人にしかわからないこともあるだろう、誰かの役に立てばいいなと思い、書き留めておこうと思います。
参考になれば幸いです。
「茶名」とは「ちゃめい」と読みます
さきほどから出てきている「茶名」とは「さめい」ではなく「ちゃめい」と読みます。
「茶」は「さ」と読んだり、「ちゃ」と読んだり難しいですね💦
茶名とは
一般的に辞書を引くと「茶名」とは以下のような意味と出てきます。
茶の湯で、極意を皆伝された茶人に付ける名前。
コトバンク
なにをもってして「極意を皆伝された」というのでしょうか。ちょっと難しいですね。
茶名を拝受する時に、お家元より頂戴したお言葉がとても分かりやすかったので紹介させていただきます。
(略)ただ単に長く稽古をしているからといって名乗ったりまた芸名のようなものではありません
「道学実」三位一体の修道を通じて「茶名」をいただくに足る資質を備えられた方に授与されるものであります
茶名を申請するかどうかを判断するのは、普段稽古をしてくださっている先生なので、その「先生に認められた」=「極意を皆伝された」と言うことができそうですね。
「道学実」とは
先ほどのお家元からの言葉にあった、「道学実」とはどういう意味なのでしょうか。
道:本質を見極める
学:知識を得る
実:実践する
普段の点前のお稽古は「実」ですね。
「学」というのは茶道について学んだり、茶道具の展覧会や茶会に出かけたりすることですね。
↓茶道の勉強についてはこんな検定もあります。
私も受検しましたが、茶道を総合的に勉強できて、受けて良かったです。おすすめです!
そして一番難しい「道」ですが、「学」で学んだことや「実」で実践したことから、茶道の本質である「お茶を楽しむこと」や「おもてなしの心」なんかを自分なりに解釈して理解していくことが必要である、ということかと思います。
裏千家の許状・資格制度
茶道というのはどんな流派でも上位のお点前を学ぶには、お家元の学んでいいですよという“許し”が必要です。
この“許し”のことを許状や免状といいます。
※流派によって呼び方が異なります。
裏千家茶道には許状のほかに資格もあります。
これは特定の許状を取得すると、対応した資格が得られるというもので、お点前がどのくらい進んでいるかという目安になります。
今回の“「茶名」を拝受した”というのは実際に「名前」と「許状」のふたつをいただいたということになります。
以下の表に裏千家の許状・資格制度をまとめます。
許状 | 資格証 |
---|---|
2.小習 3.茶箱点 ※取得することで初級の資格が得られる | 1.入門・ 三種目での一括申請が必須 | 初級
4.茶通箱 5.唐物 6.台天目 7.盆点 8.和巾点 ※取得することで中級の資格が得られる | ・中級 分割申請も可 |
9.行之行台子 10.大円草 11.引次 ※取得することで上級(助講師)の資格が得られる 弟子の許状申請を行うことができる | ・上級(助講師) 和巾点から1年経過後から申請可 分割申請も可 |
12.真之行台子 13.大円真 14.正引次 ※取得することで講師の資格が得られる | ・講師 引次から1年経過後 分割申請も可 |
15.茶名・紋許 ※取得することで専任講師の資格が得られる | ・専任講師 正引次から1年経過後 |
16.準教授 ※取得することで助教授の資格が得られる | ・助教授 茶名から2年経過後 25歳以上 |
↓裏千家お点前一覧はこちら
ちなみに、「紋許」というのは裏千家の替え紋で門弟の紋である「ツボツボ紋」を自分の持つ着物などに入れてもいいという許しです。
ツボツボ紋とは円がふたつ重なったような模様で、千利休の3人の孫が建てた「三千家」で、それぞれちょっとづつ配置が違うようです。
実際の許状ってどんなもの?
茶名の許状は桐の箱に入っていました。
前の許状の時は入っていなかったと思うので、より重みが増します…!
桐の箱の中には「茶名」と「許状」の二つが入っていました。
「茶名」というのはもちろん、お家元から「茶名を授与します」という内容のもので、「許状」というのは先ほどのとおり「紋を使う許し」のことです。
資格証
資格証も一緒にいただきました。
表面にはこれまで本名だった氏名が、茶名になっていました!
資格なので、履歴書に書くこともできますよ!
記念品
茶名を授与される方に記念品として贈られるもののようで、「帛紗」をいただきました。
流水に梅花を浮かべた「名物裂織部純子」に千家の家紋である「銀杏の葉」をあしらった帛紗で飾り帛紗として使用するようです。
あずき色の地に鮮やかな黄色の銀杏の葉が輝いています。
茶名取得にかかった金額
やはり一番気になるのは茶名の申請にいくらかかったか、というところですよね!
茶名申請料として先生にお渡しした金額は16万1,000円でした。
私が若かったからか、以前、先生から「茶名を取るときは給料の1ヶ月分くらいかかるから、貯金しといてね!」と言われていたので、準備はしていました。
なので心の準備もできていましたが、急に言われるとちょっとびっくりしますよね💦
早いうちから準備しておきたいものですね。
ちなみに申請してから1ヶ月ほどで許状が届きました。
先生は遅いと3ヶ月くらいかかるかも、とのことだったのでとても早くてびっくりしました。
先生へのお礼の金額
お礼の金額は教室や先生によって本当にまちまちです。
なので先生か同じ社中の方にお聞きするといいと思います。
ちなみに私の場合は、6万円をお礼としてお渡ししました。
先生は「お礼は気持ちでいいのよ」と言ってくださいましたが、「気持ち」とはいくらだ?と…(笑)
同じ社中の茶名を持っている方にはなかなか行き会えないので、やんわりと直接聞いてみました。
「申請料の半分くらいでしょうか…?」とお尋ねすると、「そんなそんな!(多すぎる)」という反応だったので、「では1/3くらいでしょうか?」とお尋ねすると「まあそれくらいかしら」とのことで16万円の1/3は53,333円→万札のみに揃えて6万円とさせていただきました。
いつも本当にお世話になっているので、6万円のお礼でも安いくらいでしたが…。
どうやって渡す?
申請料はすぐに振り込みをするとのことだったので、白い封筒に金額と名前を書いて、その場で先生が金額を確認できるように、封は閉めずにお渡ししました。
お礼については新札を蝶結びののし袋に入れて、許状が届いて「お引き渡し」の時にお菓子と一緒にお渡ししました。
これも教室によって違いがあることなので、先生や同じ社中の方にお尋ねしましょう。
↓のし袋やお菓子についてはこちら
茶名の付け方
茶名は利休居士以来、歴代家元の「宗」の字を一字いただくもので、本来だと「宗」の字のうしろに、自分の下の名前の一字を取ってつけていただくようです。
例えば下の名前が「花子」さんであれば、「宗花」でしょうか。
ですが、私が通っている教室の先生は「希望すればほとんど通るから、好きな漢字にしたら?」と言ってくださって、結果、希望した漢字になりました!
申請後に、今日庵から「どうしてこの字ですか?」と問い合わせがあったようなのですが、先生が「本人の希望です」と伝えてくださったところ、問題なく希望が通りました。
ちなみに茶名は「宗夏」です。
本名に「夏」という漢字は入っていません。
余談:どうしてこの漢字にしたか
どうして今日庵にお任せせず希望を出したかといえば、せっかく名前を考えられるのであれば、茶道が少しでも上達して、たくさんの良い経験が積めて、長く茶道を続けられるような、運勢の良い名前にしたいと考えたからです。
運勢の良い名前といえば画数です。
苗字と宗の字は決まりなので、選べるのはあと1字です。
そこで苗字と名前の画数を足した総画数で、運勢が良さそうな画数をいろいろと調べてみました。
画数には「最上吉数」という成功する可能性が高い画数が7つあり、その中でも「才能と環境に恵まれ、普通の人よりも優しい人柄になりやすく、不思議なカリスマ性があり芸事や事業で成功する可能性がある」という“32画”が、茶道をするときの名前として向いているのではないかと思ったのです。
参考:星ひとみの天星術姓名判断
私は苗字が14画、宗の字が8画なため、最後の1字に充てられる画数は10画。
10画の漢字の中でピンと来たのが「夏」という漢字でした。
私は夏生まれですし、「宗夏」という宗との漢字の相性も良さそうで、なにより「そうか」というひびきもしっくりきたので、先生に理由を話して「宗夏」で申請していただきました。
お引き渡し当日
先生の元に許状が届いたら、先生からお引き渡しをしていただきます。
今回は一緒に許状を申請した方と一緒の引き渡しとなりました。
当日は着物でお伺いし、先生が一番の奥義である「真之行台子」のお点前でお茶を点ててくださり、お菓子とともにいただきました。
そのあと、先生から許状の内容等を読み上げていただき、許状や記念品をいただきました。
私が通っている教室ではお引き渡しのあとはいつも会食に出かけるのですが、いまはコロナの真っ只中なので、先生がお弁当を取ってくださいました。
お弁当をいただき、和やかに談笑してその日は終了という流れでした。
先生から茶名のお祝い
なんと、先生から茶名のお祝いに楽茶碗をいただきました!
飾りものの点前をするとき、いつも「私もなにか由緒がある道具が欲しいな(買いたいな)~」と漠然と思っていたので、茶名という記念に師匠である先生からいただけて大変感激しました!
大切に大切に使わせていただきたいと思います!
まとめ
茶名についてのまとめと自分の備忘を兼ねた記事でした。
自分が茶名なんて…という気持ちもありますが、先生が、私には「茶名をいただくに足る資質がある」と判断してくださったということなので、先生のその判断を裏切らないように、今後も精進していきたいと思います。
この記事が参考になれば幸いです。
コメント
コメント一覧 (1件)
すごい良い先生ですね、オープンだし明朗会計だし
私の先生も良い先生でしたが、検索するとその何倍も請求する先生が多いようなので(本来は禁止されているけれどお目こぼしする慣習)