茶道で使う道具には様々なものがありますが、棗や茶杓を拭いて清める布の名前はご存じですか?
茶道をするうえで重要な役割を担う大切な道具です。
使い方や選び方、買い方のポイントなんかも解説しているので参考になれば幸いです。
※茶道具の扱いは流派によって違うことがあります。
この記事は裏千家茶道についての内容です。
茶道具を清める布の名前は「ふくさ(帛紗)」です!
大きさは縦が約28.5cm、横が約27.5cmのほぼ正方形。
ふくさの布地には
正絹という本物の絹糸で作られたものと
人絹という絹糸に見立てて人工的に作られた合成繊維で作られたもの
の2種類があります。
光沢やしなやかさが違い、お点前で使う時にはさばきやすさが変わってきます。
また帛紗は女性と男性で使う色が違います。
→詳しくは「帛紗の選び方」で詳しく解説します。
帛紗の使い方
帛紗は使う時には、決まったたたみ方をして使用します。
この帛紗をたたむことを「帛紗をさばく」と言います。
たたみ方にもいくつか種類があるので、たたみ方を覚えるまではなかなか苦戦するポイントになります。
たたんだ帛紗は、
抹茶が入っている棗や茶入、抹茶をすくう茶杓や茶入を乗せる四方盆、天目茶碗を乗せる天目台など茶道具を拭いたりするのに使うほか、水指の上に茶巾を置くときに水指のふたの上を拭いたり、熱々のお釜のふたを開けるときに鍋つかみのように使ったりもします。
帛紗の選び方
色
帛紗の色には朱色・赤色・紫色の基本の3色があります。
それぞれ流派や性別で使う色が異なっていますので、間違えて購入しないように注意しましょう。
ちなみに、裏千家では少し自由度があり、お稽古であれば表千家で使っている朱色や柄があるものも使用することができます。
重さ・厚み
帛紗の重さを「匁(もんめ)」で表記します。
1匁=約3.75g。
重いものほど生地の厚みが増し、ふっくらします。
初心者の方にはさばきやすい8匁以下のものがおすすめ。
※ただし、人絹については、重さによってランクが変わる正絹とは異ります。
6匁(約22g):薄めのためさばきやすい。学校茶道におすすめ。
7匁(約26g):少し薄め。初心者の方におすすめ。
8匁(約30g):程よい厚み。一番人気。
9匁(約34g):少し厚めがお好みの方。中級者向け。
10匁(約37.5g):帛紗では一番厚い品。ふっくらとするが取り扱いが難しく上級者向け。
参考:ほんぢ園
茶道具セットを揃えよう!
茶道部に入ったり、茶道を習い始めるときは、帛紗だけあればよいというものではありません。
通販でも「初心者セット」として必要な道具がまとめて販売されています。
ですが、購入するのは少し待っていただきたいです。
部活動であれば入部してから人数分を顧問の先生がまとめて購入したり、教室によっては指定があるかもしれません。
また先ほどの帛紗のとおり、流派によって扇子の大きさや古帛紗の有無など使う道具に違いがあるため、焦らずに部活の先生や教室の先生に確認して、間違えたものや余計なものを買わないように注意しましょう。
初心者セットの主な内容は以下の通りです。
1.帛紗
2.古帛紗:お抹茶を運ぶ際に茶碗の下に敷いたり、茶器を拝見するときに使用する布。裏千家のみ使用。
3.懐紙:お菓子をいただくときのお皿代わりや汚れを拭ったりするのに使用。
4.菓子切り:お菓子をいただくときに使用する楊枝のこと。
5.扇子:挨拶をするときや床の間を拝見するときに体の前に置いて使う。
6.懐紙入:上記の道具を入れておくための袋。
初心者セットはどこで買える?
初心者セットは百貨店の和装コーナーや茶道具店であれば取り扱いがあるかと思います。
ただ色や柄、流派によって必要な道具が違うので、数多くの種類を取り扱っている通販がおすすめです。
裏千家帛紗セット
【7点セット】
・帛紗ばさみ
・古帛紗
・白竹扇子
・帛紗
・ステンレス楊枝・楊枝さし
・懐紙
・りゅうさん紙
【6点セット】
・数寄屋袋
・帛紗(正絹)
・扇子
・菓子きり楊枝
・懐紙
・古袱紗
【6点セット】
・帛紗ばさみ
・帛紗(交織)
・古帛紗
・扇子
・菓子きり
・懐紙
【5点セット】
・帛紗ばさみ
・菓子楊枝(さや付き)
・扇子
・帛紗(正絹)
・懐紙
数寄屋袋
私は教室に通い始めてしばらくしてから、懐紙入ではなく数寄屋袋というやや大きめのポーチのようなものを購入しました。
↓ちなみに、現在私が使っている帛紗セットです。
慣れてきたら少しずつ道具を上等なものにしていってもいいかもしれませんね!
おまけ①~袱紗、服紗、帛紗 漢字による違いは?~
ふくさと読む漢字には「袱紗」「服紗」「帛紗」の3種類があります。
実は漢字によって意味に違いがあります。
袱紗:冠婚葬祭用の掛け袱紗(贈り物等にかけて道中の埃除けとして使用する)や包み袱紗(ご祝儀を渡すときなど)を表す場合。
帛紗:茶道のお点前で茶器を清める際などに使用するもの、小風呂敷など小さいサイズのものを表す場合。
服紗:パソコンの普及で常用漢字変換による。
という違いがあるようです。
どの漢字でも間違いはないようですが、正しい漢字を正しい意味で使いたいですね。
まとめ
この記事のまとめです。
- 茶道具を清める布の名前は「ふくさ(帛紗)」。
- 帛紗は茶道具を清める他、お釜の蓋を開けるのにも使ったりする。
- 帛紗は流派と性別で使う色が異なる。朱色は表千家の女性用、赤色は裏千家の女性用、紫色は男性用。
- 帛紗は重さによって使い勝手が変わる。初心者は程よい厚みの8匁(もんめ)がオススメ!
- 最初は必要な茶道具が揃っている初心者セットがオススメ。百貨店の和装コーナーや茶道具店のほか通販でも購入可能。
- ふくさは3種類の漢字があるか、それぞれ意味が異なる。
この記事が参考になれば幸いです。
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