あなたは、今まで、外国人から日本の文化について聞かれて困ったことはありませんか?
お恥ずかしながら、私はあります。
以前、茶道のお茶会にお手伝いとして参加したとき、観光に来ていた外国人から茶道についていろいろと聞かれたことがあります。
その時、私は茶道や日本の文化についてうまく伝えられなかったのです。
私のように、生まれ育った、今でも住んでいる日本という国の文化について、うまく説明できる方はどのくらいいるでしょうか?
日本人として知っておきたい茶道の知識とエリートが活かす茶道の教えを身につけましょう!
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「教養としての茶道」を読んでわかること
著者プロフィール
竹田理絵(たけだりえ)
- 株式会社 茶禅 代表取締役
- 一般社団法人 国際伝統文化協会 理事長
- 日本伝統文化マナー講師
- 茶道裏千家教授
- 茶道歴40年、講師歴25年。
年間世界30カ国の方々に日本の伝統文化を伝え、延べ生徒数は3万人を超える。
・祖父は掛け軸の職人、母は茶道の先生という、和の空間が当たり前という家庭に生まれる。
・外資系企業に入った際、外国人から「日本の文化について」聞かれ何も答えられずに恥をかき、
チャンスを逃した人をみて、日本の伝統文化の素晴らしさを伝えたいと思うようになった。
・退職後、銀座の歌舞伎座の隣に小さなお茶室を開いた。
どなたも気軽に茶道を楽しんでもらいたいという気持ちから。
・「茶道に興味がある人」「最低限茶道の知識を知っておきたい人」へ。
茶道は最強のビジネスツール。
総合伝統文化といわれる茶道のあちこちにちりばめられた、ビジネスや生活の知恵を、この本を通じて活かしてほしいとの思いで本書を執筆。
「教養としての茶道」を読んだ学びと要約
経営の神様:松下幸之助をはじめとするエリートが虜になる茶道の魅力
戦国時代のエリート:信長や秀吉 P52
戦国時代、常に死と隣り合わせの日常にいた武将にとって、茶の湯は自分自身と静かに向き合い、心を整え、平常心を取り戻すのに必要なひとときだった!
【経営の神様】松下幸之助 P60
経営観の根底にあったのは「素直な心」→茶道の「和敬清寂」という精神。
「和敬清寂」とは「和やかに・お互いを敬い・清らかな心で・何事にも動じない」こと。
誰に対しても耳を傾けて全てに学ぶ謙虚さ。異なる意見でも良いことは良いと認識できる心を持つことで成功を収めた。
スティーブ・ジョブズ P63
アップルの基本理念「フォーカスとシンプルさ」を「シンプルであることは複雑であることより難しい」と語っている。
これは禅の教えのひとつ。
自らの執着を掃き清めて空っぽにすることで、物事が入る余地ができる。
茶道でも、お点前をしている間は、目の前のお茶をおいしく点てることのみに集中している。
そうするとジョブズのいう、深いところであったり、愚直であったり、一瞬を最大限に発揮することができる。
イチロー選手 P67
揺れ動く心を、心で制御するのは難しい。そこで、いつもと変わらずルーティンワークをして、まず身体を整えます。一つひとつの動作をルーティン通りにこなしていくことで、心も自然と整ってくるからです。
これは「心身一如」という考え方で、身と心は1つであり、心が乱れたときは、身体を整えれば心も整うというもの。
茶道のお点前も決まった一連の流れの手順を踏むことで、自然と心が集中し、落ち着いて、心も整ってくる。
これだけは押さえておきたい「茶道」
茶道の歴史 P71
平安時代に中国からお茶を薬として持ち帰ったことが始まり。
寺院から庶民へお茶を飲料として飲む習慣が広まる。
室町時代には中国から伝わった高価な美術工芸品を眺めながらお茶を楽しむ華やかな茶会が誕生する。
その後、大徳寺で禅を学んだ村田珠光が禅の思想を取り入れた「わび茶」を創案する。
安土桃山時代に千利休によって現在の茶道の形の「茶の湯」が完成。
江戸時代に入り、茶の湯が正式に幕府の儀礼に取り入れられたことで大きく広まることとなった。
日本の美意識:「侘び・寂び」 P98
寂び:時間の経過とともに色あせて、劣化することで出てくる味わいや趣ある美しさ
侘び:寂びの味わい深さを美しいと思う心や内面的な豊かさのこと
知っていると一目置かれる「茶道」 P133
お茶室は日本文化の縮図!
禅語=何事にも囚われないシンプルな心の在り方のこと。
掛け軸=書道。書かれた禅語に深い意味がある。
お花=華道。引き算の美学。
お香=香道。お香は心で「聞く」。
着物=日本の民族衣装。日本の美しい四季を表現。
和食=懐石料理は抹茶をおいしくいただくための食事。
茶室=日本建築。四畳半が丁度よい心地良い広さ。
茶道具=日本各地の素晴らしい工芸品。
ビジネスや日常に活かしたい「利休七則」 P114
「利休七則」とは茶の湯とはどのような心構えで臨むべきなのかを表したものです。
1.茶は服のよきように点て(気配りの大切さ)
2.炭は湯の沸くように置き(準備の大切さ)
3.花は野にあるように生け(自然体でいること)
4.夏は涼しく冬暖かに(相手を思いやる心)
5.刻限は早めに(時間に余裕を持つ。気持ちにゆとりを持つ)
6.降らずとも傘の用意(不慮の事態に備える)
7.相客に心せよ(お互いに尊重し合う)
この心得には『知っていることとできることは別物であり、当たり前のことを実践する難しさ』という真意が込められています。
茶の湯は、単にお茶を点てて飲むだけの行為ですが、相手を思いやり、細かな気配りをして万全を尽くすという、そこに人の心を育て、人生を豊かにする、おもてなしの極意があります。
自信が持てるお茶会の作法
事前準備 P168
- 腕時計やアクセサリーははずす → お道具を傷つける可能性があるため
- 白い靴下を持参する → 茶道の精神「清」につながるため
- 茶扇子、懐紙、菓子切り → 茶扇子は挨拶・拝見で使用、懐紙・菓子切りはお菓子をいただくため
作法・マナー P171
- 一番上客の席には座らない → 一番上客は正客と言って、お客を代表して亭主と挨拶をしたり、道具の質問をしたりするため、茶道の経験や知識が必要。
- 畳の縁は踏まない → 昔は畳の縁に家紋を入れていた。縁を踏むことはその家の主人の顔を踏みつけるようなもの。
- 襖の開け閉め、挨拶は座って行う。
お茶室での楽しみ方 P173
五感を研ぎ澄ましてみる。
お香やお抹茶の香り、お茶道具やお花の美しさ、お抹茶を点てる音、お茶碗の温かな手触り、和菓子やお抹茶の味わい、そして日本の四季とおもてなしの心。
感心した話!
① 石田三成の出世話 「三献のお茶」 P57
ある日、豊臣秀吉が鷹狩りの帰路、のどが渇いて、お寺に立ち寄り、お茶を所望した。
奥から小姓(住職に使える雑用係)が大きなお茶碗でぬるめのお茶を運んできた。
秀吉は喉が渇ききっていたので、一気に飲み干し、もう一服所望した。
2杯目は少し小さめのお茶碗にやや熱めのお茶が運ばれてきた。
秀吉が3杯目を所望したところ、高価な小茶碗に上等なお茶を少しだけ淹れて運んできた。
その機知と気遣いに感心した秀吉が、小姓を取り立てて家臣にしました。
それがのちの名将、石田三成です。
この話を聞いてあなたはどう思いましたか?
どうして三成はそれぞれ違うタイプのお茶を運んでいったのでしょう?
秀吉は三成のどんなところに感心したのでしょう?
1杯目のお茶は喉の渇きを察して、飲みやすいぬるめのお茶をたっぷりと、
2杯目はゆっくりとお茶を飲んでもらうため、少し小さめのお茶碗にやや熱めのお茶を、
3杯目はお茶をじっくりと味わってもらうために、高価な小茶碗に上等なお茶を少しだけ。
たった1杯のお茶でも、相手の様子を見て、欲しているものを察知して提供するその機転と気遣いに秀吉は感心したのです。
私も大変、感心しました!
やはり名将になるような人は違うのですね。
「相手の立場に立って考える」とはよく言いますが、それの難しいこと!
ポイントは柔軟な考え方というところにありそうかなと思いました。
私の仕事も対人で大まかなパターンや基本的な流れがあるため、そのパターンは相手がしてほしいと感じていることと合っているか?ということを考えて対応したいと思います。
②「一期一会」の本当の意味
「一期一会」という言葉を聞いたことがありますか?
とても有名な言葉なので、ご存じの方も多いと思います。
実はこの言葉も茶道の心得を表した言葉になります。
その日に出会った人とは、今後もう二度と会えないかもしれないので、その人との時間を大切にしましょう
と解釈されている方が多いと思いますが、実は、この言葉の本当の意味は少し違うのです。
たとえ毎日顔を合わせる家族や友人、仕事仲間であっても、その日その時の出会いは一生に一度だけで、二度と同じ日や機会が戻ってくることはない
というのが本当の意味です。
私もこの本を読むまで、上の方の意味だと思っていました。
でもそうではなくて、この一瞬は一生に一度だけなのです。
私は家族に、いることが当たり前で、ありがたさを忘れてついつい雑に接してしまったり、自分の気持ちを優先してイライラをぶつけてしまったり…。
でも今日のこの時も、まったく同じ日は二度とないのだと思うと、大切にしよう、優しくしようという気持ちになります。
どんなことでも人生で一度きり!と胸に刻んで、誠心誠意を尽くしたいと思います。
とりあえず、家族にいつもありがとうと伝えました!
教養としての茶道まとめ
◆エリートが虜になる茶道の魅力は、
1.自分自身と向き合い頭を空っぽにして集中するという行為
2.相手を尊重するという禅に通じた精神
◆お茶の始まりは中国から薬として持ち帰ったこと。
→村田珠光が禅の思想を取り入れた「わび茶」を創設。
→千利休が現在の茶道の形の「茶の湯」を完成させる。
◆日本の美意識「侘び・寂び」とは足りないことを美しいと感じる心のこと
◆茶道は日本の総合伝統文化!
◆利休七則は当たり前のことを実践する難しさを説いた心得
◆お茶会では五感を研ぎ澄まして楽しむ!
いかがだったでしょうか?
私は茶道を10年続けているので、知っていることもありましたが、知らないことも多かったので、大変学びになりました。
また「相手を思いやる」という茶道の精神について、『知っていることとできることは別』というのを大変実感しているので、実際にやっているエリート達はやはりエリートなのだと思いました。
実際にお客様から言われたであろう言葉がとてもリアルに書かれているので、その光景を思い浮かべながら読むことができました。
茶道を全然知らない方もスムーズに読める内容で、ページ数も211ページとそこまで多くないので、サクッとスムーズに読めると思います。
コメント
コメント一覧 (2件)
もなかさん
ステキな記事を読ませていただきました。
我々日本人の在り方を今一度見直したいですね。
さて、一つだけ気になるところがあります。
田村珠光 → 村田珠光
大事な部分なので、よろしくお願いいたします。
記事をご覧いただきありがとうございます!
またご指摘もありがとうございます。
完全に勘違いしておりました。
うっかり早とちりがないように、記事作成に努めます。
よろしければ、今後とも当ブログをよろしくお願いいたします。