茶道をはじめようとしたら、「“そくしゅう”を持ってきてください」と言われた!
“そくしゅう”ってなに?どう準備すればいいの?
「茶道 入門」などと調べていたら『入門時には“挨拶料”を納める必要がある』と書いてあった!
“挨拶料”の金額っていくら?どうやって渡したらいいの?
この“そくしゅう”と“挨拶料”、実は同じ内容のもので、「束脩」と書きます。
(ただし、入門時以外の挨拶料とは許状の「申請料」を指します)
この記事では茶道を始めるときに必要な「束脩」について解説しています。
しっかり準備をして、茶道入門の第一歩をバッチリな作法で踏み出しましょう!
※あくまで基本的な束脩の渡し方です。
流派や教室によって作法が違うことがありますので、師事する先生にお聞きできればそれがベストですよ!
「束脩」とは?
束脩(そくしゅう)とは、入学・入門の際に弟子・生徒が師匠に対して納めた金銭や飲食物のこと。
引用:wikipedia
つまり学校や習い事を始めるときの入学金や入門料、入会金などという意味になります。
「束脩」がどうして入門料という意味になるの?
その答えは『論語』にありました。
子曰く、
引用:古から学ぶ
「束脩を行う自り以上は、吾未だ嘗て誨うる無くんばあらず。」
現代語訳すると、
先生がおっしゃるには、
引用:古から学ぶ
「束ねた干し肉をもって入門してきた弟子に、私はこれまで教えないということはなかった。」
「脩」とは干し肉のことで、「脩」を10組束ねたものが「束脩」です。
この束ねた干し肉というのは、古代中国の謝礼の中でも最も軽いものでした。
この話の意味は、謝礼がなければ教えなかったという意味ではなく、謝礼が多い少ないにかかわらず、礼を尽くして教えを乞うて入門してきた弟子に対しては必ず教えを授けたという意味です。
日本でもこれが取り入れられ、大学や寺子屋、本格的な学問や芸能などを習う際には入学時に金品や飲食などを納める風習が長く続きました。
それで「束脩」→謝礼を指す→入門料を意味するということなのですね。
参考:古から学ぶ
「束脩」の金額はいくらくらい?
教室や先生により金額は異なりますが、だいたい月謝の1ヶ月分ほどのところが多いようです。
なかには束脩は不要とされている先生もいらしゃるようです。
先生によって必要・不要、また金額が大きく異なる部分ですので、お金のことはなかなか聞きにくいですが、先生に確認する方が確実で良いと思います。
のし袋について
「束脩」が入門料ということはわかりましたが、「束脩」はどのように渡すのでしょうか?
「束脩」を渡すときは、新札を蝶結びののし袋に入れて渡します。
以下の項目で詳しく解説していきます。
のし袋の選び方
さまざまな種類がある「のし袋」について少しおさらいしましょう。
実は「熨斗」とはのし袋の右上にある小さな飾りのことを言います。
ですが、熨斗が描かれていない袋やかけ紙も便宜上「のし袋」や「のし紙」と言います。
のし袋の真ん中にある飾りを「水引」と言って、結び方によって意味が異なります。
◆蝶結び(花結び):何度でも結べることから、何度あっても良いお祝いごとに使います。
例)出産、入学、昇進など。また挨拶やお礼にも。
◆結び切り:一度結ぶとほどけない形になっているため、二度と繰り返すことのないようにという意味で1度きりのお祝いごとや葬儀、お悔やみごとに。
例)結婚祝い、快気祝い、弔事全般
◆あわじ結び:結び切りの一種。両端を引っ張るとさらに固く結ばれるのが特徴。「末永く付き合う」という意味があり、結び切りよりも強い意味での1回きりのお祝いごと、お悔みごとに。
例)結婚祝い、お見舞い、退院祝い、謝礼、餞別、葬儀など
束脩は入門料ということなので、慶事用の蝶結びののし袋に包むことになります。
また入れる金額によってのし袋の大きさや豪華さが変わります。
今回は月謝の1ヶ月分ほどなので5千円~1万円ほどになるかと思います。
下記の図では左から3、4番目のようなものを選びます。
◆水引が印刷タイプのもの
◆水引が飾りのもの
のし袋の書き方
のし袋の上部には”贈る目的”を書きます。これを「表書き」と呼びます。
※文字が水引や熨斗にかからないように注意して書きます。
今回は「束脩」と書きます。
のし袋の下部には自分の名前を書きます。
※表書きよりも小さな字で書くようにします。
中袋がついていない場合
1万円未満用ののし袋では中袋がついていない場合もあります。
その場合は、のし袋の裏側に包む金額を「金 ○○圓也」と書きます。
金額は下記の表を参考に旧字体の漢数字で記載します。
一 → 壱
二 → 弐
三 → 参
五 → 伍
十 → 拾
千 → 阡(仟)
万 → 萬
円 → 円(圓)
中袋がついている場合
中袋の表面に金額を「金 ○○圓也」と書きます。
裏面には住所と名前を書きます。
のし袋の準備ができたら、新札をお札の肖像画の面がのし袋の表側に来るように入れます。
新札は平日の銀行や郵便局で替えてもらえます。
事前に準備をしておきましょう。
「束脩」はどうやって渡すの?
「束脩」は袱紗に包んで持参し、のし袋より大きい箱に入ったお菓子の上に乗せてお渡しします。
(この時の袱紗は茶道用の帛紗ではなく、結婚式などで使う袱紗です)
というのも、金封などを直接手渡しするというのは失礼にあたります。
本来なら台やお盆に乗せてお渡しするのがマナーなのですが、台やお盆を持参するのはちょっと大変ですよね。
そこで箱に入ったお菓子の出番です。
この箱入りのお菓子が台やお盆の代わりとなるわけです。
ちなみに毎回のお稽古でのお月謝も、直接手渡しせず、古帛紗に挟んだり、広げた扇子の上に置いて渡したりします。
お菓子を選ぶときのポイントは2つ。
・箱に入っていること
・日持ちがして食べやすいもの
お菓子をもらった先生は、きっとそのお菓子をお稽古で使うと思います。
そうするとすぐに食べる必要がなくて、かつ、懐紙に乗せて食べやすいお菓子がベストということになります。
いくつか選んでみましたので、ご参考まで。
※のし袋のサイズは大体10㎝×20㎝ほどです。
箱入りお菓子
鼓月の千寿せんべい
\ 銘菓のお菓子ならこれ! /
波型のサクサクのクッキー生地にバターの風味豊かなシュガークリームをはさんだ、くちどけがこだわりのお菓子です。
箱サイズ:11×17×5.5㎝
賞味期限:20日以上
定番!もみじまんじゅう
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人気のもみじ饅頭、こしあん・つぶあん・抹茶あん・チョコ・クリームの5種類が楽しめる詰め合わせセットです。
箱サイズ:21.8×16.7×6.1㎝
賞味期限:お届け後15日(未開封)
和風スイートポテト
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ヒルナンデスなどのメディアでも取り上げられた、なめらかなさつまいもペーストとバター100%のサクサクパイがマッチした新しいお菓子です。
箱サイズ:26.5×90×4.5㎝
賞味期限:製造日より14日
束脩を渡す流れ
1.扇子を膝前に置きご挨拶
2.袱紗からのし袋を取り出す
3.のし袋をお菓子の上に乗せ、先生へお渡しする
という流れになるかと思います。
以上が基本のマナーになります。
実際に束脩を渡しました!結果は受け取ってもらえず…
実は先日、他県へ引っ越しをして、別の茶道の先生に教えていただくことになりました。
そこでお菓子と束脩を持ってご挨拶に伺いました。
お菓子は取り寄せる時間がなく、近くの百貨店で最中の「さい川」というお菓子を購入しました。
【金沢うら田 さい川 12枚入】
新鮮なミルクと卵を取り合わせ、ふっくらとさわやかな味わいのお菓子です。
賞味期限:製造日より60日
ちょうどよいサイズでばっちりでした!
結果から言うと、お菓子は受け取っていただけたものの、束脩については「いいのいいの!」と受け取ってくださりませんでした。
ちなみ月謝の金額がわからなかったので1万円の新札を封筒タイプののし袋に入れて持参しました。
今回は受け取っていただけず、“束脩は不要”ということになりましたが、先生によって考え方も作法も様々ですので、しっかり準備をしておきたいですね。
まとめ
何事も最初が肝心ですね!
あなたのこれからの茶道人生を応援しています!(^^)
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